糸操り人形

糸操り人形(マリオネット)は、関節をもつ人形を上方から糸で操作する形式である。頭、手、肩、膝、足などにつないだ糸を、コントローラーや十字型の操作器にまとめる。

糸の本数と配置は、人形の設計と必要な動きによって異なる。単純な人形なら操作点は少なくて済むが、特定の動作をさせるため、多数の糸や仕掛けを備えたものもある。ただし、糸が多ければ操作が優れるとは限らない。本数が増すほど複雑になり、絡まりやすく、人形の重量と均衡をいっそう綿密に調整しなければならない。

動きには、重力、糸の張力、操作器の移動を利用する。人形遣いは一本ずつ糸を引くだけではなく、操作器を傾け、回し、持ち上げることで、全身へ連動した力を伝える。重さの感覚、足が床に触れる感触、動作に入る前の予備動作が、説得力のある動きを作る。

紐や糸で動かす人形は古くからさまざまな文化に見られるが、発祥の場所と時期を一つに定められるだけの証拠はない。フランス語の marionette を中世ヨーロッパの聖母マリアの小像と結びつける説もある。しかし、語源と語義の変遷には異説があり、技法そのものの起源を証明するものではない。

ヨーロッパでは18世紀から19世紀にかけてマリオネット劇場が盛んになり、オペラ、メロドラマ、寄席芸、風刺、変身芸などが上演された。現在は舞台、映画、テレビ、インスタレーション、街頭公演で使われている。

要点:糸操り人形は、人形を吊り、操作器につないだ糸を上方から操る形式である。

主な出典:World Encyclopedia of Puppetry Arts: String Puppet

23作品

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